シネラー

機動戦士ガンダムのシネラーのレビュー・感想・評価

機動戦士ガンダム(1981年製作の映画)
3.5
今年は今まで触れた事の無かった
コンテンツに手を出してみようと
思い立ち、本作を初鑑賞。
今まで"ガンダム"シリーズにしっかりと
触れた事がない人生を送っていたが、
普通にSF戦争映画を観たような
満足感に満たされる内容だった。

TVアニメ『機動戦士ガンダム』の
第1話から第14話を再編集した本作、
その為に情報量と展開の早さに戸惑い
はあるものの、
一本の映画として上手く纏められた
印象を受けた。
ここまで重厚な戦争ドラマを
勧善懲悪なロボットアニメが主流だった
時代に描いた事は、
正に革新的だったと言えるだろう。
地球連邦軍とジオン軍、
差し引いてはアムロやシャアといった
個人としての人間性が絡んでいて、
SFロボットアニメでありつつ
現実味がしっかりしていると思った。
アムロとその母親との別離の場面は、
戦争による人間性の歪みを感じる
のと同時に、家族であっても
理解をしてくれない儚さも感じられた。
更に個人的には、
ガンダムを観た事がなくても聞いた事
のある名台詞や名場面の流れを
知る事ができたという満足感もあった。

シリーズの第一作だけあって
絵面的な古臭さは否めないが、
近年のアニメでここまで人間のエゴ
が絡み合う作品は少ないように思った。

ひとまず、この劇場版三部作と
"逆襲のシャア"を鑑賞する予定だが、
ガンダムの重厚な世界観や
人間ドラマの始まりを見事に描いた作品
だと思えた。
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