ジャズ好きに言わせるとマイルス・デイビスの「バグズ・グルーブ」は記念碑的な作品らしい。それまでのジャズから切れ味のよいモダンの編成をしたとのこと。いわゆるエポックメーキングな作品である。
でもねえ、僕はそんなに好きでないんだよ。「バグズ~」のアルバムも持っているんだけどそんなに繰り返し聞かない。それよりもマイルスなら「キッチン」のが好きだ。なんとも心地よいマイルスがある。
これもそうだよ。久々に観たけどなんともピンとこなかった。
たしかにそれまでのアニメとは違うと言うのは分かる。それまでアニメは子供のものから大人のものに変化した。そして敵・味方どちらにも言い分があるという展開にも心躍った。
でもそれは1980年代だから。僕もファースト3部作は映画館に見に行った(当時は座れなくて階段で見た覚えがある)。その時は「新しいアニメがある」ということに胸がドキドキした(小学生でもそれくらいは分かった)。これからアニメはもっともっと進化する、そんな気持ちまで抱いた。ガンダムは未来にかかる希望だったんだ。
でも今見ると話しも紋切型だし、何より画像がそそられない。それは技術力の問題もあるだろう。そこは考慮して観るべきだけど、それでもなんとも白けてしまった。たぶん、「あの頃」だからこそ「あの場所」だからこそ「面白かった」んだと思う。
記念碑として大切な作品であるのでその点は評価する。でも今見てしまうとそれ抜きではダルな作品になってしまっている。記念碑として僕はこの作品を見る。