黒羊

機動戦士ガンダムの黒羊のレビュー・感想・評価

機動戦士ガンダム(1981年製作の映画)
4.7
「劇場版機動戦士ガンダムI」

宇宙世紀(UC・ユニバーサルセンチュリー)の時代。増えすぎた人口を宇宙コロニーへ移民させるようになって半世紀が過ぎた。
地球から宇宙移民者を管理する地球のエリート・地球連邦軍は、自治権を与えない、重い税金などで、宇宙移民者の殆どである貧困層を支配していた。

宇宙コロニー集合体、月の裏側にある「サイド3」。指導者「ジオン・ダイクン」が人類は全て地球から宇宙に住み、全人類が宇宙に住む事で「真に分かり合える人類」になれる事が出来ると訴える。
しかし志半ばで倒れ、その後「サイド3」は「ザビ家」が一党支配し、「ジオン公国」を名乗り、地球から虐げられていた貧困層・宇宙移民者の為に、自治権を勝ち取る為に、宇宙世紀0079年、地球連邦政府に対して宣戦布告する。

全ての人間が平等で、等しい権利を持つ。その実現を夢見た宇宙移民者は、ジオン公国を支持し始める。

宇宙移民者が住む「スペースコロニー」も、地球連邦軍に付く地域、ジオン公国に付く地域とで交戦する。宇宙移民者も一枚岩ではなかった。
ジオン公国は一部ではあるが地球への侵攻も果たしてして、鉱山などから資源を確保し、宇宙へ運んでいた。

ジオン公国は地球連邦の30分の1の国力だが、地球連邦軍より一足早く、次世代の兵器「モビルスーツ」の開発に成功。モビルスーツの運用により、戦局を有利に展開する。

ジオン公国と地球連邦軍の戦争は熾烈を極め、両陣営の半数の人口が死滅する。

戦争は膠着状態が続き、戦争が始まって9ヶ月が過ぎた頃、ジオン公国の将校「シャア・アズナブル少佐」の部隊は、中立の宇宙コロニー「サイド7」に、連邦軍の新型の強襲揚陸艦が入港する情報を得て、偵察に向かうが…

ここまでが「機動戦士ガンダム」の前フリです。

決して、
地球連邦軍=正義
ジオン公国=悪

という図式ではない所が、「人類対宇宙の怪物」しか無かった子供向けロボットテレビアニメでは無く、「人類対人類」の戦争を、1978年に初めて描いたテレビアニメとして素晴らしいって事ですね。

富野監督の脚本、安彦のキャラデザイン・演出、大河原邦男のメカデザイン。

これらが全て相乗効果を生み出し、今日まで続く「ガンダム・サーガ」がある。

その最初の一歩、「ファーストガンダム」の一作目。熱狂した世代の方はもちろん、そうでない方にも観て頂きたい。

ガンダムを始めて観る方は、日本語字幕を出すと、劇中で何を言っているのかが分かりやすくなっていいですよ。
黒羊

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