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ジョニーは戦場へ行ったのoliveのレビュー・感想・評価

ジョニーは戦場へ行った(1971年製作の映画)
3.7
「祖国のための死は名誉で甘美なり」こんなまやかしの飾った言葉で若者を戦争に駆り立てる、名誉でもなければ甘美でなどあるはずがない。
随分古い作品で連れ合いが昔見たことがある、猛烈なトラウマとなって絶対観ないというので反戦ものだろうし暗く重いのたろうと覚悟を決めて観ることにした。
祖国のために華々しく散る、言葉は勇ましいが実際は飢えや病気に苦しんで苦しみのはてに無惨な死があったという事が切々と伝わってくる。丸太のような命だけが残って全てを失う、これ以上の苦しみは考えつかない。私は常々病気にしても事故にしても自分の命の究極の選択が自らの手で果たせない以上の絶望はないと思っているので正にジョーの置かれた状況は耐えられないものだった。
戦争の現実、少しも美化することなく描かれ不戦を誓うに良い作品だと思うけどもう一度は観ないな、それほどに辛い映画だった。
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