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ジョニーは戦場へ行ったのharuのネタバレレビュー・内容・結末

ジョニーは戦場へ行った(1971年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

戦争で身体を失ったジョンの話。

設定だけ見るとキャタピラーに似ています。こちらは直接的な描写はないのですが、彼やまわりの人たちが語る内容から彼の姿が十分想像できて、本当に痛ましい。
顔や手足を失うということ、それについてジョンが最初に感じたことは、仕事ができないから困るという身体的な不便。しかし話が進むにつれ、自分の状況がわからないこと(今が昼なのか夜なのかもわからない)、自分の気持ちを伝えることができないことという、外部と遮断された孤独な状態こそ本当に辛いことだと感じるようになります。視覚、聴覚がないってほんと怖い。真っ暗な中に一人ぼっちだよ。映画はジョン視点で描かれているので、自分がジョンになったかのような絶望を味わえて本当死にたくなる。でも死ぬことができない。命だけでも助かって良かったなんて絶対言えない。

ラストで明かされるジョンの望み。今すぐ殺してくれって言うのかと思ったら、外に出たいだった。人の見せ物になってお金稼ぎたいんだって。彼は望みをきかれて、自分ができることを考えた。私だったら死ぬこと以外考えられないけど、ずっと一人で考える時間がたっぷりあったらそうなるのか?
結局彼の望みは叶えられず、せっかく外部とのコミュニケーション手段を得たのに、人々は彼の存在を抹殺するか、あまりの絶望感に目をそらすだけ。彼は真っ暗な中に一人ぼっちに戻り、それが死ぬまで続く。

一度見るべきだけど二度は見れないと思う。それぐらい戦争は悲惨なのだからやっぱり起こってはいけないんだと思った。
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