とか26

SUPER 8/スーパーエイトのとか26のネタバレレビュー・内容・結末

SUPER 8/スーパーエイト(2011年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます



❸2022/08/07

予算を湯水のようにつぎ込んだであろう、
東京ドーム何個分?みたいな規模の
列車衝突シーンのド迫力な掴みで
こころ鷲づかみにされて、
青春映画の皮を被った
「大事件への丁寧な前振り」を楽しんでたら、
その大事件が盛り上がる前に
主人公たちが裏で事件解決しちゃって、
爆発がいまひとつ起こらずに
終わっちゃうみたいな映画でした。
高まった期待感が家の天井に頭ぶつけて、
行き場を無くしてます。

列車事故からの
▶︎逃げ惑う子どもたち
▶︎撮影カメラがコトンっ……
▶︎カメラだけが現場の方を向いてギュルルルル…
って撮影し続けてる、
この激流のようなテンポの良さとタイミングは
誰もが「名作がハジマルヨ…」って
なると思うんだけど…。

公開当時は
ダコタ・ファニングの妹でしかなかったから、
どうしてもお姉ちゃんと比較して
エル・ファニングを見てたんだけど、
いま見てみるとただただ
「可愛い…」でしかなくてビックリした。

ダコタ・ファニングが積み上げてきたキャリアを
平気な顔して超えていく存在になるとは
当時まったく思ってなかったけど、
いま見ると
ダコタちゃんとは違う魅力が確かにあった。
ダコタちゃんの場合
女優に転生したメリケンサックなので
顔面の攻撃力が強いんだけど、
エル・ファニングは女優に転生した白米ですから
なんか白くて儚いし
どんな作品にも馴染むから、
強いんだなと思いました。

数年ぶりに観たんだけど、
自分の記憶力が心配になるぐらい
男子グループ5人のなかの1人だけ
まったく顔に覚えがない子いたんだけど、
案の定 全編にわたって
明らかにひとりだけ個性削ぎ落とされてるし、
なんなら最後らへん文字通り置いていかれてて
散々な扱いだった。

そもそもあのグループ、
男子4人に女子1人いれた5人組でよかったよ。
なんだったんだよあの子。
かわいい主人公. 小太り. 出っ歯. のっぽっていう
完璧なキャラデザ4人衆の中に
おまえが入っていけるわけないだろ。
どうしてエキストラを
主要キャラの1人にしたんだよ。
調べたらあの子、元俳優になってたよ。
辞めた原因、明らかにコレでしかないだろ。

小太りの子がモテる主人公に対して
「好きな子奪いやがって…」ってなるの、
当然のリアリティで好感持てたし、
あの子が高嶺の花である
エル・ファニング誘ったことに
ちゃんと理由付いてたのも良かった。
恋愛感情のない、
ただのコメディキャラじゃないの好きだった。

ただこの宇宙人襲来ジャンルの映画って
前振りの面白さだけを武器に攻めてきて、
終盤になると
急激に話をまとめに掛かってくるの厄介だな。
【宇宙戦争】しかり。
キューブのデザインやら
ものが宙に浮くとかの、大規模じゃない
おつまみ感覚のファンタジーは大好きですが。

主人公とヒロイン両方に
父親との確執があるんだけど、
正直どっちの家族も
事件が解決したことに便乗して
親子関係修復した気に
なってるだけにしか見えなかった。
父親と不仲
▶︎父親とケンカ
▶︎宇宙人帰国
▶︎子どもが無事で良かった…。っていう
展開でしかなかった。

エンドロールで劇中劇を見せてくれることで
ちゃんと作中で映画作ってたんやな…って、
変な角度から感動させる作りしてたのも好き。
おまけみたいだった映画作りの要素を
最後の最後に力技でねじ込んで消化させてた。
あの短編自体オチとかちゃんとしてるし、
結構長尺なので見応えあった。

9割が前振りみたいな映画なので、
軽い気持ちで何度も見返せるのはいい点。

ありがとうございました。
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