どーもキューブ

かいじゅうたちのいるところのどーもキューブのレビュー・感想・評価

3.3
 スパイクジョーンズのかいじんたち

 2010年11月12日 18時03分レビュー。

 

原作モーリス・センダック、製作トムハンクス他多数。音楽カレン・O、カーター・バーウェル。脚本(他一名)監督スパイクジョーンズ。

こちらも公開時行こうか迷った作品。奇跡の歌姫ビョークや今でもオールドスクール魂を貫くスリーMCラッパーズの大家ビュースティーボーイズ等々のミュージッククリップ監督だったPV出身のスパイク。並行してスケボー仲間の世界一「おばか」をたいそう「ガチ」で実行するアメリカンガンバルマンドキュメント、もうすぐ新作ドロップの「ジャッカス」に出演ちょこっと監督したりしていました。

のち世にも見たこと無い映画で小学生的その発想映画の代表作「マルコビッチの穴」で世間に見たこと無い手薄なダメージを食らわしたスパイク。

「アダプテーション」いくつかのプロデュースをへて今度は、「絵本」の映画化!

なんか公開前、雑誌で見るからに「良さげな」ビジュアル。

レビュー読みますと、皆様いろんなイメージが広がっていますが、

私はまず「ごんたくん」(ふが、ぶふうぶぶぶぶうバイ教育テレビ、のっぽさんからの「できるかな」)そして、ジムヘンソン先生を思い出しました。

「セサミストリート」「ラビリンス」です。(「ジムヘンソンのテレビシリーズ」もみたいなぁ。)

ポスターワーク、雰囲気、賛否のレビュー、なんで劇場吹き替え版多い配給なの?と疑問を呈しつつ劇場断念。ようやく鑑賞となりました。

雰囲気が、まず断然素晴らしいですね、、。アメリカ映画に見えません。

欧州映画のような肌触り。全体をつつむ「精神的なほの暗い」感じ。あの怪人、いや野生人たちの造形の素晴らしさ必見。

そして、実は、案外大人向きだったりする感じ。

原作は、未読。短い絵本のようです。

私は、前半の導入部分に強く惹かれてしまい、かなり涙が流れてしまいます。

子供時代の「さみしさ」を保持している方は、たまらないシンクロ部分満載。

子供の「孤独」がとっても「詰まった」作品。
ある意味「へそ曲がりで」「わがまま」で「空想好き」で「自分勝手で」「親や家族が大好きで」うまく「表現できなくて」そんな子供が、ある日おたけびとともに冒険する物語。

そこには、でかくて、孤独なかいぶつたちがいましたとさ。

論理的に物語的なものは、子供のイマジネーションに理屈をつけてもしょうがないのかもしれません。
おもうがまま、われかんずるまま、ほえるがまま、悲しいからなきさけぶまま、彼はさまよい、楽しみ、わらい、歩く、出会う、、。


基本明るくない、騒がしくない、この感じが好き、言葉で明快にしようとしないその姿勢。その感覚。

正直全然意味もわかってないんですが、これだけの「感覚的な」作品をアメリカ映画でぶちおあげたその「志」に感動しました。

音楽のこども達のスキャットハミングのようなこのかもす「雰囲気」のこの素晴らしさ!

これがなじむか、どうかです。

主役のマックス・レコーズの鬼可愛さ、冒頭から落書きだらけの会社名のロゴから飛び出すスパイクの「超感覚派」かいじゅう物語。

ギューット抱きしめてもらいたい怪獣の野生が、「ラブ」でつつまれる。

スパイクジョーンズが魅せるかいじんたち、かいじゅうたちのいるところにはたしてなにがまっていることやら!

スパイクのいまさら強すぎる「超感覚個性」「子供の孤独」に素直に賛同した映画でありました。(わけもおもしろさも、あまりわからないけど)

追伸
やはり、ジムヘンソンスタジオ提供のようですね、素晴らしい造形をとくとごらんあれ、お子様には、ややお勧めしませんってなんでやねん。
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