千里

奇跡の千里のネタバレレビュー・内容・結末

奇跡(2011年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

最近是枝監督作品を漁ってる流れでの鑑賞。感想としては"いつもの是枝監督作品っぽくない"といった感じ。子供がメインの話なので、子役の使い方はやっぱり上手いし、演技も良い味を引き出してるあたりは流石。ただ"淡々とした日常描写"はちょっといつもより作られてる感じがして、是枝さんっぽくないような気も。別に悪い意味で言ってるわけじゃないのだけど、なんかいつもとは違うように感じた。

内容としては、両親の離婚で鹿児島と福岡で離れ離れで暮らす兄と弟。兄は家族がまた一緒に暮らせるように願っていて、弟は今の生活に慣れようと努力している。そんな時に新幹線がすれ違うときの莫大なエネルギーで奇跡が起こるという噂を聞く兄。兄と弟、そしてそれぞれの友達も巻き込んで子供だけで新幹線がすれ違うところを見にいくという話。

新幹線がすれ違うときの莫大なエネルギーで奇跡が起こると信じて行動する子供たち。あの年頃(小学生)の子供だけで遠くまで電車に乗って旅をするって、住んでる環境にもよるけどなかなか出来ないよなぁ。そんな子供たちが今回の一種の冒険を経て一つ成長して戻ってくるっていうラストは良かった。

兄が離れて暮らす父親との電話で、家族も大事だけど家族以外にも大事なものを持てる人間になってほしいと言われた時に「例えば音楽とか世界とか。」と言われた意味を最後に地元に帰ってきたときに理解しているラスト。こういうちゃんと繋がりを持たせるような構成は好みだった。
千里

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