ユースケ

スキャナー・ダークリーのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

スキャナー・ダークリー(2006年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

顔や体型はおろか声までも変化させるスクランブルスーツによって誰が誰だかわからない職場、ジャンキー達とイカれた日常生活を送る潜入捜査先、そして、言い渡される自分自身の監視業務…

ドラッグの副作用によって認識能力は次第に失われ、客観的に記録を行うはずのスキャナーが幻覚を映し出した時、全ての境界が曖昧になり自分自身の存在が揺らぎ始める…

リアルジャンキーのフィリップ・K・ディックが自身の体験を基に書き上げた【暗闇のスキャナー】をキアヌ・リーブス主演で映画化した本作は、ロバート・ダウニー・Jr、ウディ・ハレルソン、ウィノナ・ライダーなど、前科持ちのリアルジャンキーたちによるリアルジャンキー演技とヌルヌル動くロトスコープ技法による実写とアニメーションの中間みたいな不安定な映像によってリアルジャンキー気分が味わえる一本。

ロトスコープ技法を活かした無数の人間の姿が絶えず投影されるスクランブルスーツや虫が体を這い回る禁断症状の映像は秀逸。キアヌ・リーブスの廃人演技も要チェックです。