戦後40年経ち、ハンガリーでナチスに協力した特殊部隊の戦犯の疑いで、アメリカの市民権をもつ元ハンガリーの農夫が訴えられる。弁護士である娘が父親を弁護することになったが…揺れ動く娘の心、試される父娘の愛情と絆、法廷劇としても見ごたえあるヒューマンドラマだった。
不安を一つ一つ消しながら真実と正義に近づこうとするやり手の弁護士役にジェシカ・ラングが好演。
ジェシカ演じる弁護士の元夫も義父も弁護士でエリート。ジェシカは寡黙で実直な父親と素朴な兄、素直な息子を愛していた。
残酷な映像は映らないが、特殊部隊がユダヤ人にしてきた残虐で卑劣な行為が生々しく、証言者の口から次々と具体的に語られる。耳で聞く方がリアルに感じられて恐ろしく辛かった。
戦後40年経っても戦争責任を総括し続ける海外の国々。考えさせられた。
アメリカでは酷評されたがベルリンで金熊賞受賞している名作である。
