映画 学校(1993)日本/128分
監督 山田洋次
脚本 山田洋次 朝間義隆
主演 西田敏行 竹下景子 田中邦衛
裕木奈江 萩原聖人 中江有里
2024年10月17日、勤務中の介護送迎車の添乗中にラジオで「え?!」と思わず声を出してしまう悲報が流れた。
西田敏行さんが76歳で亡くなった。
追悼の意を込めて、本作を鑑賞しました。
何らかの理由で夜間中学に通う幅広い年代の生徒さんと黒井先生の交流を描くヒューマンドラマ。
昼間は働き夜は学校へ通うカズ、中1で不登校になったえり子、アル中の父親を持つ不良のみどり、日本に不満を持つ日本と中国のハーフの張、焼肉屋を経営するオモニ、障害を持ち言語が上手く話せない修、そして山形で療養中の言語は上手く読み書き出来ないけど競馬になると好きが止まらなくなり早口で話すイノさんがいる。
卒業文集の為にそれぞれ各生徒の回想が流れ、思わず共感したり笑ったり、そんな心穏やかな前半が続くが、緊急ホームルームが開かれ、イノさんが亡くなった事を告げられ、イノさんとの思い出を蘇らせ、幸福とは何か最後に考える内容。
気持ちを言葉に出来ないのなら書いて表現するというのが染みる。
それぞれ年齢も立場も違うのにこんなに仲良くなれるのか。
本作のおかげで夜間中学が流行るきっかけになったとか。
幸せは人の形それぞれだが、お金のように消えて無くなるモノではない。
イノさんの体が過去の悲しい事に全て疲労として体現されてしまって病気が悪化してしまうのがショックだが、最後の最後まで幸せそうで良かった。
焼肉屋のイノさんがいつブチギレるか分からない緊張感は凄い。
渥美清出てきた時思わず吹いたわ。
それにしても、西田敏行さん演じた黒井先生、器が広いし面白いし、ちゃんと生徒を見守ってくれる良い大人だなと感じた。
こういう大人になりたい。
西田敏行さん、今までありがとうございました。ご冥福をお祈りします。
【II】と【III】と【十五才 IV】もあるらしいので機会がある時観てみたい。