Newおみず

若き勇者たちのNewおみずのネタバレレビュー・内容・結末

若き勇者たち(1984年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

大雑把に内容を纏めると、悪の巨大共産主義軍団“ギャラルソレン”に少年ゲリラ団“屈狸団(くずりだん)”が挑み、散っていったという某オル○ェンズ的な話(まぁ「鉄○の○ルフェンズ」自体は全編見てないけどw)。主人公サイドが次第に追い詰められたりして生き残りが殆どいないとか主役の片割れが殺人への罪悪感が麻痺していって無感覚な殺戮マシンになったりとか主役二人が時間稼ぎのために大軍勢相手に孤軍奮闘して死ぬとかオチも少し似てるよね。

しかし、本作の監督であるジョン・ミリアスはどういう意図でこの映画を撮ったのかよく分からん。予備知識で彼が熱狂的な反共主義者兼ゴリッゴリの右翼だとは聞いているのだが、その割には内容が「コミュニスト死すべし!」的なものになっていないというか(まぁ敵味方双方をフェアに描いている方が作品としてマトモなことは間違いないのだが)。もしかしたら、「揺るぎなき団結なくして資本主義と祖国アメリカの勝利は成し得ないのだ!」とか「憎むべきは特定の国家や個人ではなく社会主義・共産主義と戦争である!」とかそんなモットーを持っている人なのかもしれない。

そんなわけで、ほぼほぼミリアス監督の考察になってしまいましたが、本作の存在自体は前々から知ってました。その当時は「いやいや、ソ連がいきなり西側の本丸のアメリカに直に電撃戦仕掛けるとか有り得ないでしょwww」とか思ってました。事実ソ連はアフガンで息切れしてアメリカとドンパチせずに崩壊してるし。でも、今日のウクライナ情勢を見ていると、ソ連のノリを引き摺ったプーチン政権下の露軍は(相変わらずアメリカに直接吹っ掛ける事はせずとも)ガチで電撃戦で市街地破壊したり、露兵も作中のソ連兵と同様、否、それより酷い略奪・虐殺行為を働いているし、戦況も膠着状態に陥ってもいる。あながちこの映画で描かれていた事は反共主義者の絵空事というわけでもないのだ、という事実を図らずも叩きつけられました。とまぁ、これに関しては観る時期が違えばもっと違う感想が出てきたかもしれません。
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