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シテール島への船出のENDOのレビュー・感想・評価

シテール島への船出(1983年製作の映画)
4.5
パルチザンの爺さんが、亡命先のロシアからギリシャに戻って来る。彼は信じていた。社会主義の理想を、より良い世界を。でもそうはならなかった。
彼の国は、占領軍と戦った共産党員を次々に排除・粛清し始めた。反共ヒステリーだ。理想は消え去った。夢は失われた。諦観。
スピロには、何も残されていなかった。戻ると、地元イタケの人々に死人と呼ばれた。政治犯として4度の死刑を言い渡されたからだ、唯一残ったのは、妻の愛。ただ消え去るのみ。人間の心。アンゲロプロスは今作以降、心の国境について問題提起していく。
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