「僕らはあの事件からまだ何も学べていない」
しょーこー♪しょーこー♪と学校で口ずさみ先生から怒られた同級生の石橋くんはいま元気にしてるのかな。
1995年。
地下鉄サリン事件に阪神淡路大震災と当時小学生だった私でも何か日本がヤベー感が伝わっていたあの時代。
地下鉄サリン事件が戦後最悪な事件であることは裁判でも明らかになっているけど、信者全員が悪者なのか。
森監督の作品はいつでも挑発的だ。
観ているこちらの重心をグラグラと揺すってくる。
今やネットで『マスゴミ』と侮蔑されるメディアも(この言い方ホントに嫌い)ネットが一般的でない時代において影響力は絶大だ。
ある本からの抜粋
『男がニコニコ笑いながら近づいてくる』
と
『男がニヤニヤ笑いながら近づいてくる』
では受ける印象がまるで異なる、と。
男が笑いながら近づいてくるという同じ事象であっても。
このように我々は新聞やテレビ等のちょっとした印象操作をいとも簡単に受けてしまうのだ。
この作品を観ていると、メディアとオウム信者、どちらが正しいことを言ってるか分からなくなってくる。
(それこそ監督の狙いなのだろうけど)
いったい何が真実で、いったい何が『FAKE』なのか。
性交渉をしたことがあるかどうかと聞かれ、恥ずかしそうに「恐らく無いでしょう」と答える荒木青年。
スーツにサンダルでもリアルのび太な彼を笑って許して。
DVD持っているので皆に布教したい一本。ほぼレンタルされてないしね。