まこと

ノマドランドのまことのレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
4.5
「サヨナラではなく、またどこかで」
まだ3月だけど、今年上半期の1位は決まったかもしれん(まだ早いし、そもそも今年は全然本数観られてないけど)

ノマド=遊牧民
近年、日本でも勤務地から離れて暮らす生活は注目されてきているし、こんな世の情勢で憧れる人も多いのでは。

人は死ぬために生きる。
人生を0から始まる、と考えるか0に向かって進んでいく、と考えるか。
最近読んだ死生観の本にそんなようなことが書いてあった。
生きていく上で人は様々なものを失っていく。それはモノであったり家だったり職だったり伴侶だったり。
でも、この映画の中に内包されているメッセージ、即ち人は一人では生きていけない、というある意味不変で昔から言われていることをこの映画を観ることで改めて感じる。

それはこの映画が(エンドロールでビックリしたのだけど)出てくるほとんどのノマドたちが実際の人たちだというから説得力が半端じゃない。ある意味ドキュメンタリー。
トランプ大統領が誕生する前のアメリカ、というのを頭のどこかに置いておくとより沁みるかも。


皆が皆、自分の意見を正しいと思う。思っている。
やれ結婚しろだのマイホームは建てるべきだの。
でもそれが誰しも正しいと思っていない、というのを考えるべき。それがこの激流の現代社会を生きるということ。
一人旅に出たくなったな。対馬とか奄美とかそういうとこ。
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