まこと

花束みたいな恋をしたのまことのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.8
「始まりは、終わりの始まり」
そりゃあそこに押井守いたらアガるよね…。
恋のキッカケなんていつもそんなもんで。皆顔がどうとか収入がどうとか言うけどさ、始まりは大概そんなもん。
「あ、それ私もそう思ってた」それに尽きる。
それがこの映画のようにサブカルだったり、他にもスポーツだったり考え方であったり。
でも何もかも一緒だとボタンをかけ違えてきたりすると途端にそれが不協和音になる。それはまるで絡まったイヤホンのように。
「恋はナマモノ」なんてセリフかあったけど、ホントにそうなのだ。悲しいけどそこに賞味期限は存在してしまう。
恋は幻で愛は現実なのよね。

本棚にあるAKIRAもドラゴンヘッドも今村夏子のピクニックも、そして下高井戸シネマも…残念ながら私の人生には共有できる異性は現れなかったけど、そこには一つのイヤホンを二人で分け合うような空気の共有が大事で、でも劇中でもあるようにそれは音楽を愛している人の行動ではないんだよね。
私も30数年生きて思ったことだけれど、やっぱりパートナーと趣味は一致しすぎないほうが良いと思う。この映画のようにどうしても違和感が出てきちゃうんだよね。


ただ残念ながら現実にはヴェーラにもユーロスペースにもアップリンクにも有村架純のような女性はいないのであった。
あと何回生まれ変われば有村架純と大学何日もサボっておセッセしてお風呂に入れるんでしょうか。
そういえば、私と一緒に錦糸町で『アバター』を観た彼女、今頃元気にしてるかな。笑顔にしてるといいな。ストリートビューで映画館のあたりを見てみようかな。
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