「A」の作品情報・感想・評価

「A」1998年製作の映画)

製作国:

上映時間:135分

4.0

監督

「「A」」に投稿された感想・評価

難しいテーマだけどあからさまに若い女子に対しての防御力が低い所はわかりやすかったです
2作目の方を先に観てしまい、半年以上順番待ちして やっと宅配レンタル鑑賞。

もう忘れちゃってたけど、森監督の人柄がなせる オウム真理教、破防法適用裁判までの荒木広報部長に密着のドキュメンタリー。

オウムの犯罪は勿論許されものではないが、視聴率の為 報道の自由と称し、事件を煽るかの様に過熱する一方通行の報道合戦のマスコミ。
それをそのまま真に受け 頷く国民。

そして国家権力の権化の如き警察。


時が経ち、風化気味もあってオウムへの危機感も薄れてしまってるのは認めるが、中盤での出来事等 今観ると SMS等普及していなかった時代ならではの、有る意味自分を含めた 国民がマスコミにマインドコントロールされていたのかの様な不思議な感覚。

あっという間の2時間ちょっと。

不謹慎かもしれないが、映画としてはとても面白かった。
音声の聞き取りずらさはすさまじいが、そこに映されている映像や話は、神経を集中して聞きたくなるものばかり。

「オウムの教団内部に潜入!」「オウム信者の実態!」が映されている映画と聞いて観る前に思い描いていた印象とはまったく異なるものがあった。

「足の爪先のカルマ」に関する話は興味深い。
私は笑えたが、個人がある現象を捉えるときにはさまざまな見方があることを実感させられるやりとりでもある。

オウム真理教の地下鉄サリン事件をリアルタイムで知る年代かそうでないか、いつこの映画を見たかなど、個人の属性やタイミングによって見方は変わるかもしれないが、多くの鑑賞者が荒木広報副部長をどんな風にとらえているのかも個人的には気になるところだ。

「A」のシリーズには映像作品の「A」「A2」のほかに、書籍での「A3」「A4」がある。
「A」「A2」だけを観てももちろん面白いが、「A3」を読んでから「A」「A2」を観ることでより面白さが増すかもしれない。

個人的には、「A」→「A2」→「A3」→「A」→「A2」という順で見直したことで、森達也さんの考察の深さを感じることができた。

「A4」は元信者によるオウム真理教の教義理解がどんなものであるかを知るためには読んでおいて損はないと思う。
JEDIobi

JEDIobiの感想・評価

4.3
最初の方の音声がどれも不明瞭過ぎて、観る気が失せそうになったが、
中盤以降、この映画の意図するところがなんとなく見えてきて、最後まで観て良かったと思った。

私の解釈では、これは、ある程度の情報選別はしているとは言え、
あくまでも中立の立場からの、視聴者が考えるための題材としての映画なのだと思った。
自宅で観ましたぁ〜。

当時あの若さで広報部長をしていた、
荒木さんへの密着ドキュメンタリー。

考え所はいろいろある。

今の日本という社会。
そのものなのかもしれない。

気になった言葉は、連帯責任。
かな。
事件そのものもショッキングではあった。

ただ、出家しょうという思いはどこから出てくるのか?

悲しまないために、出家するってのはなんか矛盾もあるし、感情を殺すというのもなんか変。

人として、自分自身の為。
なにか行動を起こすんだろぅなぁ。
それが放浪でも、出家でも、
そこにはつながりのある、親や知人、関わりのある人はいる。

だから、人のすることにはなんらかの影響はあるのかもしれない。

なんだか、
教団が原発ともかぶる感じもあった。

このお話は次、A2という作品もある。
観なきゃな。

ちなみに荒木広報部長は、
現在も広報部長をしてるみたいですね。
(^^)

やっぱり映画は面白い🤣
yuzu

yuzuの感想・評価

-
終末論で鑑賞。

幼い頃からオウムのドキュメンタリーをよく見させられていた。特段美しくもない(むしろ不潔そう)、妙ちきりんな話し方をするこのおっさんに何故人がそこまで吸い寄せられるのか調べても何を見ても分からなくて、これ見てもやっぱり分からなかった。ただ分かったのは、残った信者の人の純粋さ。どこにでもいそうで、穏やかで、丁寧に受け答えをし、自然に「尊師」の話をして風変わりな生活を送る。

「もし麻原が目の前で泣いて『全部間違っていた、許してくれ』と言っても信仰は変わらないですか?」という質問に「変わらないですね」と笑顔で答える人を見て、ますます訳がわからなくなってしまった。麻原を糾弾する本を平然と読んでる人がいたのはちょっと笑った。

だから、「麻原とは何者なのか?オウムとはなんなのか?」とかそういう答えを探したい人が見ても全然有益じゃないと思う。むしろ、当時のメディアがいかに乱暴で、イメージ先行の映像ばかり垂れ流していたかは手にとるように分かる。傲慢で不躾で、とても腹が立つ。あんたたちが散々まつりあげて見て見ぬ振りしてきたからああなったのに。マスコミ志望の人には是非見て欲しい。

社会や人について考え続けたいし、学び続けたいね
Sho

Shoの感想・評価

3.6
作品としてはFAKEの方が面白かった。
とにかく森さんの取材力が凄いんだなと実感。
積み重ねた時間を逆手に取る突き放したような核を突く質問を最後にぶつけるのが森さん流なんでしょうか。すごいなぁ。
caky

cakyの感想・評価

4.4
自壊するオウムの中から広報副部長に密着した作品。メディア、警察、住民と、一様に総バッシングを受ける彼らだが、素顔はそこらにいる若者の姿でしかなく、サティアン内部での信仰はどうしたってチープに見えてしまうものの、いじめにも近い構図に同情すら覚える。いや「同情すら」と思ってしまうのが、彼らへと依然向けられた、僕の視点なのだろう。と同時に、この無秩序で暴力的なレッテル貼りの恐ろしさを見せつけられる。ドキュメンタリーが証拠=事実として、武器になる様は少々ドラマチックで、その本質を見極める作品。
いだね

いだねの感想・評価

4.2
地下鉄サリン後、オウム真理教広報副部長の荒木さん(ほぼ水川かたまり)を追ったドキュメンタリー。
オウムの一部はあってはならないことをしたが、オウムの信者のほとんどは決して悪ではなく、ただただ、純粋にオウムの思想を信じていたということ。(当然、そこまで信者を追い込んでしまう思想が私はいいものだとは思えないけど)
当時の信者/警察/記者/民間人それぞれ自分の正義で戦っている当時のリアルな温度感が伝わってきて、見ていて熱くなった。
fumi

fumiの感想・評価

4.5
地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教信者、でなく、ある宗教に入信した一人の人間、を映す。穏やかで朴訥とした広報部長の荒木氏には好感すらわく(水川かたまりに似ているw)。カメラの距離は異様に近く、冷静にツッコミを入れながら彼らを否定せず、ある冤罪の代弁者ともなるカメラ(森達也)。ラストでふいに正論をぶつけて質問する。なぜ社会に対して謝罪をしないのか?
当時28才の荒木氏に周囲からかけられる親がどうとかいう泣き落としのような文句、オウム真理教にぶつけられる“悪魔”とか“人間でない”とか旧時代的、非論理的な言葉や考え方(魔女裁判!)。マインドコントロールと何が違うんだろう? 沈黙のあとに語られる答えは、本心なのだろう。考えさせられてしまう。
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