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かくも長き不在のyoko45のレビュー・感想・評価

かくも長き不在(1960年製作の映画)
4.4
テレーズ(Aヴァリ)
浮浪者(Gウィルソン)
 1960年パリ、第二次大戦から時は経ち、人々は新しい生活を築いています。そんな中、カフェを経営するテレーズは、店の前を通りがかる浮浪者を見かけ、その彼が16年前、秘密警察に連行された夫(アルベール)に違いないと感じますが、浮浪者は記憶を失っており、親戚からはアルベールに似ていないと言われて・・
 以前の二人の生活を思い出させようと、テレーズが浮浪者を観察し色々な試みを考える様子、そんなテレーズの問いかけに不安と穏やかさが入り交じった表情で受け答えする浮浪者。記憶が戻りそう、でも断片的、波が寄ってはまた消えていく、はたして浮浪者はアルベールなのか、二人の会話に観る側も一喜一憂します。
 二人でレコードの音楽に聴き入り歌を歌いダンスを踊る光景から、戦争の傷跡を感じさせる場面へ一気に展開する終盤が強く印象に残ります。
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