ミシンそば

ペイルライダーのミシンそばのレビュー・感想・評価

ペイルライダー(1985年製作の映画)
4.0
Blu-rayの整理を兼ねて再鑑賞。
「許されざる者」が自分にとってはイーストウッドの集大成とはなり得ないので、そっちの席を任せるのはこちらにこそ相応しいとずっと思っている。
未見の「荒野のストレンジャー」を観ていれば、そのイメージはさらに補強されていたかもしれん。

虐げられた者の前に、黙示録の四騎士の「青ざめた騎士」のように漂うように現れて悪党をぶっ飛ばす、名無しの牧師、従来の西部劇(名無し、と言う点ではマカロニウエスタンの影響も感じる)のフォーマットのような爽快さはあるが、ストックバーンの表情や態度などから本当に最初から死んでいるスーパーナチュラル染みた要素の顕現なのかとも勘繰れる。
ラストシーンなんかはバックにある山も含めてモロに「シェーン」のオマージュで、普通のかたちでお出しされたら失笑する自信さえあるが、全体に漂う湿度高目な物悲しさから、そうはならない。

正直言って少しだけ贔屓目と忖度が入り込んだスコアだが、イーストウッドから西部劇と言うジャンルへの手向けだと感じたからこの配点に二言はあり得ない。