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ハンナとその姉妹のotomisanのレビュー・感想・評価

ハンナとその姉妹(1986年製作の映画)
4.0
 見上げる青空も次の嵐の通り道に過ぎない。監督がそんなだからハンナとその姉妹も人生湿りがち。パートナーとのすれ違い、すきま風、男運大凶を感じながら、さあどっちにいこうかとなるんだが、嵐の予兆を感じさせながら、いったい何年越しの事やら。
 幾星霜、また巡ってきた感謝祭の晩、長女ハンナの女優業は変わらず順調、その亭主エリオットは三女リーへのよろめきも踏み止まるに至り、事実はご内聞に収まったのか。そのリーは憂鬱な画家Fの下を去り、遠ざけたエリオットと入れ違えの大学教授と結ばれる。コンプレックスだらけの次女ホリーはヤクもタバコもお役御免の戯曲書きで人心地、若返ったついでに妊娠まで。その相手が仮想的病気のデパート、青空を漆黒で塗った監督兼ミッキーというわけで、やれやれお幸せに。次の嵐はきっと来る前に止む期待でいっぱいだろう。
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