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新学期・操行ゼロのSPNminacoのレビュー・感想・評価

新学期・操行ゼロ(1933年製作の映画)
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「バカンスは終わった、新学期だ」。とはいえ、誰も大人しく勉強する気などなく。悪ガキ4人を中心にワーワー騒ぎ暴れまくる子どもたちVS身勝手に抑圧する学校の大人たち。
一部アニメーションになったり、逆立ちしたりフードファイトしたり、箱をひっくり返したみたいなドタバタ騒動演出がナンセンスで若々しい。とりあえずやりたいこと詰め込んだみたいな勢い。俯瞰で撮った構図が多いのは、狭いセット内での必然なのかな。でも、おかげで大勢が落ち着きなく動き回る躍動感が捉えられてる。
黒いコートの子どもたちは小悪魔のよう。それが寄宿舎で反旗を翻し、枕投げの羽が舞う中を行進する場面では、白い寝巻き姿が天使に見える!また、列車で座席からずり落ちる「死人」は、ベッドに磔となった舎監にスライド。皮肉なコントラストが洒落ていた。
学校へ戻る煙モウモウ立ち込めた列車に始まり、革命で自由を勝ち取った4人は屋根の上、そこには後ろ姿と何もない空が広がっていて、彼らを阻むものはない。まるでジャン・ヴィゴ自身の破壊衝動をそのまま実現したかのような子どもたちの野生味と共に、センシティヴで美しい詩情があった。
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