“暗殺という政治行為は、史上前進的な結局を生んだことは絶無といっていいが、この変だけは、例外といえる。”
(司馬遼太郎 『幕末』より)
桜田門外の変にスポットを当てためずらしい映画です。
一番盛り上がるであろう暗殺行為のシーンをラストではなく、冒頭に持ってくるという少し崩した構成もよかったと思います。
以下はまた引用になります。
“明治維新を肯定するとすれば、それはこの桜田門外からはじまる。
斬られた井伊直弼は、その最も重大な歴史的役割を、斬られたことによって果たした。
(中略)
この事件のどの死者にも、歴史は犬死をさせていない。”
(司馬遼太郎 『幕末』より)
赤鬼=井伊直弼の率いる彦根藩は
わずか十数人の浪士に惨敗し、これによって倒幕推進者は勢いを増し、維新の到来が近付いた。
こういう映画ってあんまり流行らないんでしょうけど、興収狙いのちゃちな映画よりは、断然いいと思います。
かっこいい映画でした。
製作:2010年
監督:佐藤純彌
出演:大沢たかお