ふじじ

ゴジラのふじじのネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ(1954年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

特撮の感想に入る前に、迷いが生じると彼女の椅子に座ってしまうかと思えば、剥き出しの自分自身を受け止めてもらいたがるかのようにショッキング実験を見せつけて手元から離れつつある女性を引き留めようとしてしまう芹沢博士の人間味よ。でも恵美子さんみたいな深く考えなくても男性を渡り歩ける軽やかな女性は、そういう引き留め方が効く純真なタイプじゃないと思うの……「君たちの勝利だ」の意味が多いよ。恵美子さんは芹沢博士の死を引きずらないタイプだから最後に幸福に暮らせよと言った相手が尾形だったのはリアル。
※後続作による後日談は本作とは別物と捉えています。

本編は特撮技術が凄すぎます。特に、かの有名なゴジラの東京上陸シーン、いざ目にするとゴジラと群衆をしっかり同時に印象付けられる素晴らしいカットで感動します。また、家屋が潰される瞬間や火事のシーンも全く安っぽさがありません。

今なおシリーズ通して使い続けられる伊福部先生の劇伴は全編通してあまりにも素晴らしく、破壊や攻撃の度に響く地響きのような爆撃音も恐怖を煽ります。

会議室の退避シーン等、後続作のオマージュ元も当時の描き方のセンスがいかに強かったか分かって良かったです。
家族を失った情景は戦後ほどない雰囲気がありありと感じられ、苦しかった。
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