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ゴジラのSadaoMioのレビュー・感想・評価

ゴジラ(1954年製作の映画)
3.9
実は未見だった本作
遅ればせながらゴジラ-1.0の感触が新鮮なうちに配信で鑑賞

ゴジラの原点とは何だったのか
1954年にこの作品を作ったことの意味とは

ビキニ環礁の水爆実験がもたらした得体のしれない恐怖や不安
もちろんそれも大きなきっかけとして作用している
だがそれ以外にも、自然や地球の営みに対する畏れを軽視するようになった人間の傲慢さや
たった9年前の出来事である、なすすべもなく東京が焦土と化していく絶望の再来も描かれる

また、物語も単純化されたものではなく
ゴジラを取り除くべき災厄として扱う主流派に対し
地球史学的生物学的観点からゴジラ掃討作戦に反対の立場をとる志村喬演じる博士を配し
SF作品として重要な要素である
主題をめぐる2面性がしっかりと描かれている
出演者も当時の日本映画のスターを揃え
特撮も円谷氏渾身のミニチュア撮影をはじめ、当時としては
極めて迫力のある映像で、観客は圧倒されたのではないだろうか

今みても高い志と職人技に感動する素晴らしいSF作品

その後の世界中の映画人に影響を与えたのもよくわかる
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