Mrsフロイ

ゴジラのMrsフロイのレビュー・感想・評価

ゴジラ(1954年製作の映画)
4.0
本年の劇場鑑賞第一作は「ゴジラ」から!

昨年は馴染みの映画館が数多く閉館しガッカリだったが、この上映館は池袋新文芸座。何と嬉しい「新春ゴジラまつり」!

何をおいてもこの1954年版を見なくちゃと、入院中の父をほっぽらかして駆けつける。

私が劇場で見たのは第四作「モスラ対ゴジラ」1964年辺りから。もしかしたら「モスラ」1961年を先に見たかも。
♫モスラ~や、モスラ~の方。
既に大型のカラー映画と記憶している。

どうも「ラドン」1956年や「マタンゴ」1963年に埋もれてゴジラの記憶が薄い。
いずれにしても迫力の東宝怪獣ものとして楽しんでいた訳だが、この60年前の「ゴジラ」は全く別ものと今回初めて理解した。

これは世界で唯一原爆を投下された国の、心からの反戦映画なのだということ。

東京に迫るゴジラを警戒して避難命令が出た街中では、「いやんなっちゃうわね、また疎開だなんて・・」「せっかく長崎から疎開して来たのに・・」と語られている。

原爆投下も疎開もつい昨日の出来事の現実のなかで、この作品が制作されたことがヒシヒシと伝わって来る。

以前に伊福部東大教授(伊福部昭氏の弟君)にお目にかかった時、東日本大震災以降テレビに流れる地震の警戒音を作製された旨お話されていた。誰もが気が付く非日常的な音を、心がけたと言われた事が印象深い。

ゴジラの雄たけびは、現代の日本に警鐘を告げるものだったのかも知れない。
Mrsフロイ

Mrsフロイ