TAK44マグナム

スパイダーズのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

スパイダーズ(2000年製作の映画)
3.4
エイリアン+スパイダー=デカくなっちゃったよ!


アメリカ政府は密かに宇宙人のDNAを入手していた!
そして、それを軍事利用すべく、無重力空間でのDNA融合実験を行うのであったが・・・

敵兵に寄生して増やすのに蜘蛛が最適なんだって!!
なんじゃそりゃ!な理由で選ばれた蜘蛛に宇宙人DNAを注入した途端に逃げられ、哀れスペースシャトルは墜落!
偶然、その現場に居合わせたのが寂れた大学新聞の記者たち。
「ほら、政府の陰謀よ!」と、陰謀論が三度の飯より大好物な女子大生記者が嬉々としているうちに舞台は秘密基地へ。
そこで、出現した人間大の蜘蛛に追っかけられる記者と政府の黒服さん。
たかだか少しばかりデカいだけの蜘蛛に基地は全滅、生き残った2人は協力して脱出をはかるのですが・・・


捻りが効いているようで効いてない、割りかし正統派な巨大生物パニック映画です。
監督はゲイリー・ジョーンズ。
宇宙人の血を吸った蚊が巨大化する「モスキート」の監督さんですね。
あんたはこんなのばかり撮っているのか!(苦笑)


前半は、よくある限定空間からの脱出を目指す展開で、キモい蜘蛛が口から出てきたり、腹を掻っ捌いてきたり。
そして、捕らえられた人間たちは糸でぐるぐる巻きにされ、お子様蜘蛛の寄生先だか保存食だかにされちゃいます!

九死に一生を得た主人公たちが政府の陰謀をぶちまけようと大学に戻ると、そこからの後半はうって変わって、広い都市部を怪獣化した超巨大宇宙蜘蛛が暴れまわるという派手めな展開になります!

まぁ、一粒で二度美味しいのは評価できるポイントですね。
CGもあまりショボさを感じさせず、とりたてて悪い部分は見当たりません。
特に、時間は短めながらも、往年の「ジャイアントスパイダー大襲来」を大幅にリファインしたかのようなクライマックスは良く出来ています。
退治方法は「グリズリー」みたいに単純で、やや拍子抜けしましたが、文系ヒロインがいきなりジーナ・カラーノみたいになって「ブチ殺したる!」とキレるのにはビビりました(苦笑)

悪役のレイ・ワイズ以外、登場人物に華がないのはいかんともし難いところですけれど、低予算ながら見栄えは悪くないし、展開に無理も感じられないので、こういったB級モンスターパニックものの中では比較的安パイな一作だと言えるでしょう。

マグナム的には、超巨大化してからはゴア描写が無いのが不満なので、捕らえられた人間が真っ二つにされたり、そういったドイヒーな見せ場も欲しかったですね。
それと、「モスキート」のガンナー・ハンセンみたいな「わかっているキャスティング」も、無い物ねだりかも知れませんが必要だなぁ・・・と、思いました。


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