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夏の夜は三たび微笑むののんchanのレビュー・感想・評価

夏の夜は三たび微笑む(1955年製作の映画)
3.8
ベルイマンには珍しい恋愛喜劇💫
シェイクスピアの「真夏の夜の夢」を彷彿とさせるが、こちらは北欧の長閑な風景の中で繰り広げられる物語。

ベルイマンらしくはないけれど、とても俗っぽくて観易いと思います😁お気軽にいかがですか?
 
ロマコメは監督の本意ではなく、世の中の需要に合わせ、また興行成績重視の作品を作る必然性のためだった。
この作品の成功により、その後は自分の好きな神や哲学を軸にした作品作りへ移行した。



----あらすじ----

2年前に妻を亡くした裕福な弁護士フレデリックは、若い後妻アンと再婚し、神学校に合格した息子ヘンリックと共に暮らしていた。
あまりに美しいアンが気になり仕事も手につかないほどウキウキする年嵩男。そしてヘンリックにアンを取られりゃしないか本気で気にしている。かつて不倫していた女優デジレにも未練を抱いている色男なのだが...

そんなある日、デジレの母親の別荘で催されるパーティーにフレデリックは家族で招かれる。デジレの現在の愛人のマルコム伯爵らが加わって次々とトラブルが発生する...

18歳のメイドのペトラは色気を振り撒きヘンリックを挑発するが、ヘンリックの心は若き義母アン一筋。思いあまって自殺を図るほどに悩んでいた。16歳のアンも未だに処女を守っていて、実はヘンリックが気になっていたからだった。
とうとう若さは恐怖も法律も超えて2人は駆け落ちをする...それを手助けしたのはメイドのペトラと馭者の男。←2人は歳の差があれど気が楽で愛し合っていた。干し草の上での戯れが楽しそう。

実はパーティーを仕組んだのはデジレで、フレデリックと寄りを戻したかったのだ。フレデリックもようやく自分に相応しい女性が誰なのかを気付く...

ラストはハッピーエンド🌈
北欧の夏の夜は微笑んで明けて行く✨


※メイド役のハリエット・アンデルセンは、20歳の時にベルイマン作品でデビュー。その時からベルイマンと恋人関係だった。ほぼ5年の付き合いだが、この撮影中に破局。しかし、その後も『鏡の中にある如』『叫びとささやき 』『ファニーとアレクサンデル』にも出演。
その後、ベルイマンはリヴ・ウルマンと付き合い子供を持つが結婚せず、別れても友情が続き公私共に支え合っていた。
ベルイマンは女好きだとは思うけど、関わった女性は別れても放って置けない、母性くすぐるタイプなんでしょうね💗
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