ユースケ

トイ・ストーリー3のユースケのネタバレレビュー・内容・結末

トイ・ストーリー3(2010年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

みんな大好きピクサー・アニメーション・スタジオによる世界初のフルCG長編アニメーション映画である【トイ・ストーリー】シリーズ第3弾は、人気がなくなれば捨てられる恐怖や故障すれば捨てられる恐怖を乗り越えて生き残ってきたオモチャ達が、前作のラストで悪役のプロスペクターが語った持ち主の子供が大人になってしまう問題に挑んだ一本。

とにかく、ゴミ処理場の燃え上がる炎を目の前に、無言で手を繋ぎ合い、目と目で語り合い、死を受け入れるオモチャ達の姿やそのオモチャ達を一体一体紹介しながらボニーにオモチャを譲るアンディの姿が描かれるクライマックスは号泣必至。
しかも、ゴミ処理場からアンディの家までオモチャ達を運んだのは【トイ・ストーリー】でオモチャをいじめてオモチャに懲らしめられたシド。オモチャが生きている事を知った彼が捨てられたオモチャを救うためにゴミ収集車を転がしていると思うとグッとくるじゃありませんか。

「オモチャは子供に愛されてこそ生きる喜びがある」という人間が勝手に決めたオモチャの価値観に乗れないとか、そんな価値観を持ちながらオモチャを手荒に扱う本作のイモムシ組の子供との遊びをオモチャが拒否するのは納得できないとか、そもそも擬人化する意味がわからないとか、グダグダ文句ばかり言ってる捻くれ者は、【トイ・ストーリー】シリーズのオモチャはピクサー・アニメーション・スタジオのスタッフを表しているという事とアンディの父親が登場しないのはウッディがアンディの父親代わりであり、【トイ・ストーリー】はシリーズを通して子離れを描いたお話であるという事を理解して素直に泣いて下さい。

サニーサイド保育園をアウシュヴィッツへと変容させた本作の悪役ピンクの熊のぬいぐるみロッツォ・ハグベアを演じた【スーパーマン】【スーパーマンII 冒険篇】でレックス・ルーサーのマヌケな手下オーティスを演じたネッド・ビーティをはじめ、着せ替え人形のケンを演じたティム・バートン版【バットマン】【バットマン リターンズ】でバットマンを演じたマイケル・キートン、ハリネズミのぬいぐるみミスター・プリックルパンツを演じた【007 リビング・デイライツ】【007 消されたライセンス】で4代目ジェームズ・ボンドを演じたティモシー・ダルトン、紫色のタコのオモチャを演じた【天使にラブ・ソングを…】【天使にラブ・ソングを2】で歌って踊れるシスター・メアリー・クラレンスを演じたウーピー・ゴールドバーグなど、無駄に豪華な中の人も要チェック。

ちなみに、ロッツォ・ハグベアが不適切なハグ問題でピクサー・アニメーション・スタジオを去りジョン・ラセターの化身だったとわかってから鑑賞すると、子供の夢を作り出すピクサー・アニメーション・スタジオの知りたくなかった闇を感じる事が出来ると思います。