放浪記の作品情報・感想・評価

「放浪記」に投稿された感想・評価

白

白の感想・評価

4.0
遠くに揺らめく光に向かおうといつしか歩みを止めてみることすら忘れて、夢中で人生に踊らされ続けているうちに女は身も心も窶れてからやっと、辿り着くことから解き放たれる。
男と女の間の絶対的な距離、そしてそれを悟っている女の静かな諦めについて、相手の瞳をじっと見詰める高峰秀子の澄んだ瞳が寡黙のうちに雄弁に振る舞う。

このレビューはネタバレを含みます

お話が単に成功してハッピーエンドというようなスッキリしたものではなく、グレーの曇り空のような余韻のあるものだったこと、そして高峰秀子の演技のやさぐれ具合や人間臭さが良く、とても味のある映画で楽しめた。
タノ

タノの感想・評価

3.7
演技力が良い
森光子の舞台の話しか知らず、物語も知らなかったので、たまたま放送していたので観ました。
今なら流せないような、女性の姿が良かった。
幸せに見えそうでも幸せでない感じの演出が良かった。
最後は成功して大きな家に住んでるところまできたけど、やはり幸せそうに見えない感じが醸し出されてました。
男運の悪いおふみさんの、踏んだり蹴ったりなおはなし。

おふみさん(高峰秀子)のやさぐれ具合がめっちゃ面白い。詩人というのもあって言葉選びのセンスは秀逸であり、その淡々としたナレーションは、何度もツボにはまった。

しかし彼女の人生は決して可笑しいものではない。
本当に踏んだり蹴ったりで、哀れでしょうがない。しかしそれでも「負けてたまるか」と踏ん張りをつけてもう一度飛び出すおふみさんに元気を貰えた。

男運が悪いといいながらも、いい男に巡り会えていたし、いい旦那さんに巡り会えたのは、やはりおふみさんの負けん気の強さがあったからだろう。

他人にお世話に簡単にはならない、他人のお世話を簡単にはしない、おふみさんの一貫したその生き方に一つ、かっこよさを感じた。
成瀬巳喜男作品はこれが2作目。
印象的だったのは、画面内の人物の配置。構図とも言えるだろう。
たとえば、その場の状況の中での人物の力関係に応じて、人物を配置しているところなどが、それに当たる。手前に優勢なもの(大きくなる)、後ろに劣勢なもの(小さくなる)といった表現をしていた。
また、高峰秀子のオフのナレーションが多いのに少し気になったが、あれは原作の叙述の雰囲気を尊重してのことだったのだろうか。個人的には少しうるさいようにもみえた。
同性とつるまず異性に媚びず、さばさばと一人で生きていく女性の主人公。明るくたくましくは描かれず、身勝手で陰気な様がどこか色っぽい。
加東大介さんが天使にしかみえない。でこちゃんは下宿でうちわを扇ぐ動作を始め常に手に何かを持たされ、手渡され、運ばされているのだが(貧乏暇なし)、加東大介から手渡されるものといえばせいぜい金子ととんかつであって、そのとんかつも厳密には受け取っていない(はずだ)(忘れた)し何度かある金子の貸し借りも机や床に置かれ手渡しされることはない。一方でこちゃんは履歴書、原稿、タオル、手紙、書留など手渡し手渡されることによって次々と新しい生活へと放浪していくのだ。ラスト付近の火鉢を挟んだ二人を横から捉えた光景は加東さんの方が明らかに手に持ったたばこをもて余していて火鉢の底にぐりぐりやるそのしぐさはもう渡すものもその機会さえも失われた天使のやりきれなさがにじみ出てくるかのようだ
いけ

いけの感想・評価

4.5
高峰秀子を特段魅力的だと思ったことはなかったが、その考えは改めます。
今作の高峰秀子は可愛く、格好良く、エロい。まず一発目に画面に出てくるのは髪がほんの僅か乱れ疲れている高峰秀子なのだが、出てきた瞬間に改宗を決意。
その後も酒を飲み踊り散らかす溌剌さと、疲れ果てて斜め下を向いて悄気ている姿が1作品のなかで同居してかつ、なおも一貫性を持った人間であることを説得させてしまう。
Masa

Masaの感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

すばらしい。


テンポ良。
林芙美子さんが、いつ、早く、この生活から脱していくのか、ヒリヒリ見せられる感覚。

的確なカット割。
構図。目線。

カフェにて、ときちゃんが、おじさんの妾にされそうなとき、フミコが悲痛な訴えを代弁し、場が緊迫したかと思えば、
その後、作家仲間たちが店を訪れ、コミカルな笑いを織り交ぜながら話が進んでいく。
緊張と緩和。

シーンとシーンの飛ばし方。
省略具合の妙。

学ぶべし。
Risako

Risakoの感想・評価

3.8
すごくいい
高峰秀子も最高だった
おじいちゃんおばあちゃんに囲まれながらの鑑賞だったけど最初わからなかった笑いのツボも終わる頃には一緒になってた笑
なんだか最後は、人生とは・・・とうるっとした
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