フェミ研ゼミ

放浪記のフェミ研ゼミのレビュー・感想・評価

放浪記(1962年製作の映画)
4.0
放浪記

成瀬の映画の中にアタシは居そうでこわいよ。
放浪して捨てられて貧乏してそれでもなんにも諦められなくて、痛めつけられても自ら捨てることが出来なくてつらいのう。野良猫に引っかかれながらも可哀想で餌付けしてるようだよ。でも本当はあげたくない。自分だって誰かに餌付けされたい。
餌を与えて欲しい人には与えられず。それでも背に腹はかえられず。アタシはあったかいご飯と、お布団を与えてくれる人のところで眠ってしまうんだねえ。文句いいながら。それが幸せなのか不幸なのか。ただね、アタシは腹が減って減って疲れてしまったんだよな。
高峰秀子の演技力が素晴らしかった。
疲れて絶望してんのに、なんだかこわいくらいに目の奥が深くて冴えない女を演じきっていた。
フェミ研ゼミ

フェミ研ゼミ