まーしー

激流のまーしーのレビュー・感想・評価

激流(1994年製作の映画)
3.5
川下りで偶然出会ったある家族と男性グループ。両者は共に川下りを楽しむが、素性が明らかになった男性グループが徐々に家族を追い詰めていく、というシチュエーションスリラー。

川を舞台にしたニッチな作品だが、メリル・ストリープ主演の隠れた良作だと思う。
本作で楽しむべきポイントは2つ。
まず、タイトルの「激流」が示すとおり、川がもたらす危険を感じ取ることができる。それは我々が経験するラフティングや急流すべりのようなものではない。
描かれているのは、下るコースやボートの座り方を誤るだけで命を落としかねない、自然の脅威そのものである。

もう1つは、ケヴィン・ベーコンの怪演。
今でこそ多様な役柄を演じているが、当時のベーコンはゲスな役を任せたらピカイチ。
本作では人の命をも何とも思わないワルを見事に演じている。

メリル・ストリープを中心とした家族とケヴィン・ベーコンの対決。
どのような展開になるのか、最後の最後まで読めないところも良い。
サスペンス色が強めだが、家族の絆もしっかりと描かれており、分厚い内容となっている。

ハリウッドを代表するメリル・ストリープとケヴィン・ベーコンにとって、本作は決して代表作とは言い難いが、個人的には多くの人にオススメしたい作品。