umi

ファニーゲームのumiのネタバレレビュー・内容・結末

ファニーゲーム(1997年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

視聴者の求めている展開(悪が裁かれ、善が勝つ/悪人にもそうなってしまった背景がある/もっとグロが見たい)をことごとく潰していく辺り、商業映画や所謂胸くそ映画へのアンチテーゼなのだろうか。「ヒーローが救ってくれる」「悪は最終的には裁かれる」みたいな展開に希望を抱くこともあるけれど、まあ現実ではそんなことないよな〜って思わされたし、いろんな意味で新たな視点を得られたなと思った!


・冒頭、クラシックの流れる穏やかな車内に、突然大音量のヘビメタが流れ始め “FUNNY GAME” のタイトルが出てくるところとてもかっこいい!(タイトルも赤文字で、平穏な一家団欒の風景を上塗りするような演出が、作品のストーリーをも象徴していて良い)

・最後のふたりの会話がこの映画の本質
「虚構は現実なんだろう?」
「なんで?」
「虚構は今見ている映画」
「言えてる」
「虚構は現実と同じくらい現実だ」

メタ視点を盛り込んでいるのも作品として面白いんだけど、我々の生きている「現実」も「ここで言われる虚構」と同じくらい理不尽だよな〜と思わされる会話だった。
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