タカナリ

網走番外地のタカナリのレビュー・感想・評価

網走番外地(1965年製作の映画)
3.5
シリーズ第1弾。
網走刑務所の受刑者である橘が、望んでもいない脱獄計画に巻き込まれる話。

まず最初に、刑務所内の生活が描かれていましたが、刑務所に入るのもなんか納得しました。
ガキみたいな悪事自慢や、自己中心的な年功序列、ケンカに維持の張り合い。全員馬鹿野郎で、見た目が怖いだけの子供。
だから社会に馴染めないんでしょうし、道を外れるんでしょうね。

主人公である橘は、自分に正直で嘘が付けないような男ではありますが、他の受刑者同様に馬鹿野郎です。
母親の再婚相手の横暴さに腹が立ち、苦しい母親と妹を置いて一人で家を飛び出し、ヤクザの世界へ。
あまりにも頑固で勝手。カッコ悪い。
兄貴なら、苦しい母親と妹を身を呈して助けるくらいしてほしかったです。

終盤の巻き込まれた脱獄ですけど、したくなかったら最初みたく抵抗すれば良かったのに、手錠で繋がれてるとは言え、一緒に逃げてるんですよね。
早く母親に会いたい気持ちは分かりますが、それで会った所で、母親は嬉しくないでしょうね。この行動で母親も妹もさらに生活が苦しくなるかも。 
出所直前になっても、自分の事しか考えないのが変わってないのは残念。
馬鹿は死ぬまで治らない。

〈八人殺しの鬼寅〉がすごい良かったですね。馬鹿達を上手くまとめ、橘が間違わないためのストッパーになっていました。
橘はもっとこの方に感謝すべき。