フェイスノーモア

魔界転生のフェイスノーモアのレビュー・感想・評価

魔界転生(1981年製作の映画)
3.7
沢田研二等主演、天草四郎時貞を主人公とした奇想天外なSF時代劇。

徳川幕府によるキリシタン弾圧で同胞もろとも惨殺された天草四郎時貞だったが、凄まじい恨みにより魔界に転生して蘇る。同じくこの世に未練を残して死を迎えようとしていた剣豪達を仲間に迎え、徳川に復讐を企てる物語。

なんだかよく分からないストーリーですが、気がついたら続きが気になって最後まで観てしまった。
確かに奇想天外で変な映画ではあるが、1981年とは思えない斬新な演出やセリフも多く、後発の漫画等で影響を受けたものが相当多かったのではないかと推測できる仕上がりだった。
また超豪華な顔ぶれの役者陣やセットなどを観るだけでも相当お金がかかっているのが分かる。

一番関心したのはやはり柳生親子の最後の殺陣シーン!
その中でも前後左右で燃え盛る炎の中、シルエットで歩み寄ってくる千葉真一のカッコ良さは脳裏に焼き付いています。
この時代にCGがあるわけもなく…しかしどう見ても至近距離で炎が燃え上がっており、一体どうやって撮影したのだろう…?という疑問を懐きつつも千葉真一と若山富三郎が扮する柳生親子の決闘に夢中になってしまった。
一つ残念だったのは、周りを固める俳優陣がすごすぎたせいで主人公の天草四郎時貞の存在感が薄めだったことでしょうか。
エロありグロありで今は絶対に撮れないタイプの奇作でした。