りんとん

十二人の怒れる男のりんとんのレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
4.0
中学生の頃に授業で観て、印象的だったので再度鑑賞。
物事を多角的に見て、かつ批判的に思考しなければ正しい真実を証明することは出来ないと感じた。

父親殺しの容疑をかけられた少年の判決を十二人で話し合うストーリー。有罪ならば死刑。
スラム街で育ち前歴がある少年に対する偏見や、疑問が残る証拠や証言、個人的な感情など混ざり合って議論は白熱していく。
最後まで個人的な感情で有罪だと主張するおじさんがいるのだが、イライラするー(°_°)
弁護人や目撃者の証言ガバガバすぎるだろーもっと真剣にやれ!あり得ないだろう!なんて思うけれども、こんな裁判が現在でも行われているとしたら?
ゾッとする。

陪審部屋のみが舞台。会話以外には何もないのに、引き込まれるこの映画はまさに名作だ。
正しいと思える意見も、その人物が正しいと思って主張している意見も、真剣に耳を傾けてしまう。
筋が通ってないだろー!と思ってしまう意見を強引に通そうとする人がいるんだけれども、それもこの映画に欠かせない要素で…

それから、もし実際に自分が裁判員になったとしたら。
親を殺したかもしれない、治安の悪い環境で育ち、前歴がある少年だったとしたら。
偏見なく自分の考えで主張できるだろうか?
一人疑問を感じ、話し合いを求めた聡明な男性のように、主張できるか。
日常的に物事を多角的に捉えて、批判的に思考することを訓練づけるべきだなと思う。

裁判員制度とは何ぞや。何故裁判員制度があるのか。メリットデメリットとは…などなど、法学部で学びたくなるようなテーマである。
日本も昭和28年〜43年ごろに行われていて、その後廃止、そして2009年に再び行われることになった。
なぜ再び行われることになったのだろう…
裁判員制度か〜そんな責任あることやりたくない〜どうせやらないだろうし!なんて軽く考えてた自分にチョップかましたい…
りんとん

りんとん