なみき

十二人の怒れる男のなみきのレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
5.0
父親殺しの疑いをかけられた少年の審議のために集められた十二人の陪審員たち。密室のなかでひたすら彼らが少年が有罪か無罪かを議論し続ける物語なのですが、とてつもなく面白い。真実はけっきょくは明かされないし、陪審員たちも常に冷静な議論をしているわけでもなく、むしろ偏見や思い込みが多く披瀝される。けれどもそんななかでも討議を続け、合理的な意思決定を探っていくという、民主主義とプラグマティズムの国アメリカの象徴のような映画でした。俳優たちの熱演もすごい(おじいさんが途中で見せる目の輝きなどが印象的)ですし、それに加えて各人の顔を映し出すときの影のかかり方などもかっこいい。傑作ですね!
なみき

なみき