テオブロマ

バルタザールどこへ行くのテオブロマのレビュー・感想・評価

バルタザールどこへ行く(1964年製作の映画)
3.5
美しくて陰鬱な映画。観終わって精神的にかなりぐったりしてしまった。

ロバはとてもよく働くので馬よりも好まれる、という話を以前モロッコを訪れた時に聞いたことがある。馬は気に入らない人の言うことを聞かなかったり嫌いな仕事を拒否したりするけどロバならそんな心配はない、そして馬よりも安価で餌も人間の残飯でいいので人気なのだと。

そんな素直で働き者の無垢なロバに対する本作での仕打ちときたら。尻尾に火をつける、必要以上に鞭で脅す、瓶で殴りつける、爆竹で脅かす、もう本当にひどくて、人間て愚かだなと言う感想しかない。

そんな人間達の業を一身に背負ったバルタザールの最期は悲し過ぎる一方、つらい受難劇もようやく終わるんだなと一種の救済のようにも思えたから不思議。

マリーの薄幸の美少女ぶりがすごい。動物虐待、女性への暴力、その他数多くの問題行動を起こすジェラールは早く警察に連行されて欲しかった。
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