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八月のクリスマスのdeenityのレビュー・感想・評価

八月のクリスマス(1998年製作の映画)
3.5
こちらも韓国恋愛映画に詳しい人に貸してもらった作品。
たしかに昔韓流ブームとかありましたが、そこに影響とかも与えてるような作品だったみたいで、日本でもリメイクされてるなんてことも全く知らずの鑑賞でした。
あ、ちょっと古い作品なのでネタバレ気にせずいきますね。

写真屋店主の男性と交通取締官の女性のラブストーリーです。
めっちゃ失礼を承知で言いますが、そこまでお互い美男美女って感じでもないのが意外で、ここからブームに火がついていったのならシンプルにプラトニックなラブストーリーに惹かれていったのかなと推測してみたり。
いや、ハン・ソッキュは優しそうな笑顔ですから納得なのですが、シム・ウナはなー。うーん、個人的にあまり好みではなかったというだけのことなんだろうと思うんですが。内容と関係ないこと言ってもいかんですね。失礼しました。

やはり作りとして驚くのは店主の病気や余命という事実が後から発覚していくところで、それ故にあの寛容な笑顔なのかとも思えるし、そうであるのにあの笑顔なのかとも思わされるところですね。いい意味でハン・ソッキュの魅力が生かされてました。

そして死を間近に控える彼が惹かれた女性がタリムだったわけですが、やはりラストは切ないですね。
自分の死を伝える伝えないという苦渋の決断が当然彼の中にはあったんだろうと思うわけですが、伝えないというラストの美しさ。窓越しに姿を発見しても、気づいてもらうのではなく指を添える表現。フリが効いてたからこそ感動的な余韻になったんだと思います。

しかし時代が変わると便利さに伴ってこういう感性って失われていくのでしょうかね。今だったら簡単に連絡先を交換できちゃうだろうから、あの人は今どこで何をしているのだろうとかってわかっちゃいそうなものなわけで、それこそ写真ももちろんそうですけど、あの写真1枚飾られることの意味ってちゃんと本作とかを見てたら理解できるもんなんですかね。としみじみ思ってしまいました。
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