(2011年5月19日に書いたレビューです)
中島哲也監督の作品は
個人的にあまりヒットした作品がなかったので、
本作もあまり期待せず、
DVDにて鑑賞しましたが、
これは、すごく良かったです!
法律で裁けないのなら
私が人誅を下してやろう、
という松たか子の冷酷な狂気。
人の命に興味を持たず、
ただ母から愛されることだけを願う
“優等生”少年Aの心の闇。
少年Aに好意を持ち、
そして犠牲となる少女。
殺人を犯した少年B。
松たか子から与えられた罰は“死の恐怖”。
少年Bの母親の自己正当化本能。苦悩。悲劇。
人間が本来持つはずの“良心”を
徹底的に排除してみせた本作は
最近の邦画の中では
異彩を放っていると思います。
中島哲也監督がこういう
挑戦的な映画を作れる監督だとは知りませんでした。
そして本作では、
西井幸人と橋本愛という
二つの若い才能を発見することもできました。
ふたりの今後の活動が楽しみです。
製作:2010年
監督:中島哲也
出演:松たか子、西井幸人、橋本愛