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トリコロール/赤の愛ののんchanのレビュー・感想・評価

トリコロール/赤の愛(1994年製作の映画)
4.5
ポーランド🇵🇱のクシシュトフ・キェシロフスキ監督による有名作、フランス🇫🇷国旗をモチーフにした『トリコロール』3部作の3作目。この作品のテーマは『博愛』
そして監督の遺作である。

製作順に観るのが正しいのだろうが、観たい気分のまま『赤の愛』から鑑賞‼️

全く情報を入れずに観始めて数分で
「あ、ヤバイ、これは傑作❗️これぞ巨匠❗️」
とピーンと来てゾワーッとした。


ヴァランティーヌは素晴らしい美貌を持ったジュネーブ大の女子大生でモデルをして暮らしていた。彼氏はいるが出張ばかりで、常に外国から電話を架けて来ては浮気の心配をし束縛するので気持ちが冷めていく...

ある日運転する車で犬を轢いてしまい、その飼い主を訪ねると初老の1人暮らしの元判事だという。そして隣の家の電話を盗聴するのが趣味だと隠さず話す。ヴァランティーヌは最初は咎めていたが、話を聞くうちに段々と元判事の若い頃のトラウマが原因と解り、寄り添うようになって行く...

オープニングから惹き付けられたまま、美しいモデルが元判事と関わる事により、元判事の頑なな心をほぐし、自分の愛の置き所を探しながらも掴もうとするヒューマンドラマ❤️

途中、伏線回収を一瞬で理解してしまう部分があるけれど、ラストにはトリコロール3部作を纏めるに相応しいクライマックスで終わる。今までにない感じ、何かが違う💫不思議な感覚の面白さある作品で、心から観て良かった。

30年程前なので、ファッションが懐かしかったり、携帯電話は当然ないけど、隣人の男は日本から購入したというTVのリモコン程の大きく厚みのある無線電話を持っているのには笑えてしまう。


監督の秘蔵っ子と言われているイレーヌ・ジャコブを主演にした本作には特別な思いが込められているだろう❤️
ジャン=ルイ・トランティニャンが演じた元判事は、監督自身を投影しているように思えてならなかった....

とにかく素晴らしい作品でした🌟



※観終わってから脳内整理しましたが...
あの名作♪ダバダバダ♪『男と女』のジャン・ルイだったんだと😮
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