yoshiya

道のyoshiyaのネタバレレビュー・内容・結末

(1954年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

素晴らしい作品でした。

イタリア映画、と聞くと、僕は『ライフ・イズ・ビューティフル』や『ニュー・シネマ・パラダイス』を思い浮かべるのですが、それらよりも古いこの『道』という作品も、名前だけは聞いたことがあって、ずっと気になっていました。前からfilmarksでクリップしていた作品をスクロールして見ていたら、ふとこの作品が目に留まったので、借りて観てみることにしたのです。

家族のもとを離れてついてきた(ただ同然の値段で買われた)、優しい心を持った、純粋で、明るい女性、ジェルソミーナ。修道院に対して、恩を仇で返す行動や、殺人を目の当たりにして、彼女は耐えられなくなり、精神を病んでおかしくなってしまいます。そして、そんな彼女を寒いところにおいたまま、ザンパノは彼女のもとを去っていきます。

最後のシーンで僕は心を打たれました。
ザンパノは、無垢なジェルソミーナの一生をつぶしてしまったのです。極度の悲しみに、彼女は耐えきれなくなって死んでしまう。そのことを知った彼は、そこで初めて自分が彼女に対してとった行動を振り返るのです。

ジェルソミーナの一生、心の傷、そしてザンパノの心情を思うと、つぶれそうなほど心が締め付けられます。

本当に素晴らしい作品でした。このような名作に出逢えたことを、心から嬉しく思います。
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