oba

道のobaのレビュー・感想・評価

(1954年製作の映画)
3.7
冒頭から名曲の直後に母ちゃんの奉公に出てほしいのかほしくないのかはっきりしない情緒不安定さでジェルソミーナの育った環境の毒を見せつけて大きく下げるボルテージの乱高下。
案の定言われたことを自己流でやってしまう精神的幼さが垣間見え、これが直ることがないから多分不幸映画って話かな?と。

ザンバノがでかい?ジェルソミーナが小さい?

「わたしがいなくなったら あんたはひとり」ということはザンパノもよく自覚していたのだと思うし一人でも大丈夫だし…と突っぱねてはいたものの芸も縁も自らの粗暴さで使い捨てて何も残らなかった。

悪いやつな上に聞く耳持たないひどいやつすぎてなぜそうなったのかを考えながら(衣食足りて礼節を知るでFAだとは思うのですが)見てたんだけど、銀のハートを盗もうとしたりジェルソミーナの質問に真剣に答えようとしなかったり、イル・マットを殺した後もイル・マットの容体より殺しがバレるかの心配をしてたりが積み重なって自業自得やろの割合の方が大きくなってしまったかな…もっとみんな彼の立場に立ってカウンセリングしてやろうぜ。

ザンパノの立場に立ってジェルソミーナを助けようとしたイル・マットを神とする評論もあるようで、やっぱり痛みに寄り添うとか相手の立場に立って考えるって人の身には余る御業なのかもしれないなとも少し思ってしまった。
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