きゃん

道のきゃんのレビュー・感想・評価

(1954年製作の映画)
3.6
粗暴な大道芸人とその相棒の少女の旅暮らしを描いた、イタリアの巨匠フェリーニの名作。日日是好日の中で出てきて名作と言われているけど見たことないなと思って鑑賞。

純粋無垢なジェルソミーナは、死んだ妹の代わりに旅芸人のザンパノに買われ奴隷のようにこき使われていた。それでも彼女は自分が必要とされていることを信じてザンパノに寄り添おうとするが…

昔の名作とか白黒の作品に苦手意識があるんですがこの作品は比較的見やすかった印象。感情の変化が分かりやすく、ゆえに中盤からラストにかけてのジェルソミーナの複雑な表情には胸を締め付けられた。ザンパノに粗野に扱われても健気なジェルソミーナが哀れで可哀相に思えた。2人の関係がもどかしかった。

「この世に無駄なものなんてない。地面に落ちている小石にだって意味がある。」

自分の環境が変わった時にまた見てみたいと思った作品。
きゃん

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