ぽこぽん

県警対組織暴力のぽこぽんのレビュー・感想・評価

県警対組織暴力(1975年製作の映画)
3.8
組織暴力というのはヤクザ&ヤクザと癒着した刑事のことを指す。じゃあ県警は清廉潔白なのかというと、実は県警上層部は別のヤクザと癒着している。なので実際には県警も組織暴力。
ヤクザも警察も根は同根。綺麗事抜かす奴も本当はもっと根本から同根。という。

とにかく画面がカッコいい!最初の暴力職質のシーンからずっといい!役者の眼光の鋭さとカメラの切り取りの潔さが完璧にマッチしてる。

後、時代的なテーマとしてカタギもしっかり悪い。悪いことは別に悪くなくて(?)、みんな戦後の泥水啜って生きてるから当然みんな悪い。なのに清廉潔白な捜査とか言い出すボンボンが出てきて怒っちゃうけど、本当はボンボンもしっかり悪い。という感じでみんな悪い。高度経済成長とか言ってコンビナート建てつつ「こんにっちは〜♪赤ちゃん♪」してる手はみんな汚れている。

この辺が『孤狼の血』だと、ヤクザも警察も悪くて、その間で綱渡りする大上は「天使」(役所広司曰く)なんだけど、その大上は誰の味方かというとカタギの味方。この構図だとカタギだけは悪くないという風に描かなければならなくなる。もう戦後の同じ泥水啜った仲間じゃない。ヤクザと警察だけが泥水啜って、カタギは悪くない世界になってしまっている。暴力は結局遠くのどこかの話になってしまった。それでいいのか『孤狼の血』。
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