ぽこぽん

ポラロイドのぽこぽんのレビュー・感想・評価

ポラロイド(2018年製作の映画)
3.1
あと一歩届かないくらいの惜しい凡作
もはや古典的なシステム系怨霊。

撮られると死ぬカメラ、というなんか古典的な話をアンティークのポラロイドでやってる。それだけと言えばそれだけなんだけど、丁寧に古き良きホラーを作ろうとしているのは評価したい。とはいえそれだけ感も否めない。
好きなシーンは撮られた写真を燃やすと写ってる人も燃えるとこ。これは原理はわからないがアツい。ラストは霊を撮って呪い返しするんだけど、ここでも霊の写った写真を燃やして解決。とはいえここはシステム系怨霊なら撮った時点で自己破壊の方が個人的には好み。

例えば怨霊側と保安官側で話が食い違う推理要素とか、カメラのルーツになった娘と主人公の類似性とか、主人公のトラウマからの治癒とか、そういう色々な映画的テーマがほどほどに描かれるが、ちゃんと描き切ってはいないという。バランスよくどれもほどほどで物足りなさもある。
ラストでポラロイドを割と適当に海に投げ捨てるシーンは単純に続編示唆的にも見えるし、あるいは何かしら哀愁みたいなのも感じるけど、それもどっちが正しいと言えるほどにちゃんと描かれないので、ふわっとした感想しか抱けない。

色々と惜しい。もう少しどこかに尖らせれば面白かったかもしれないが、もっと散らかったかもしれない。とはいえ現状は良くも悪くもない惜しい虚無。まあ不快にはならない虚無ってのはそれはそれの価値があるかもしれない。
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