スクリーン2番

GONINのスクリーン2番のレビュー・感想・評価

GONIN(1995年製作の映画)
4.3
ホモの殺し屋を演じるビートたけし。
「その男、凶暴につき」でも白竜がホモの悪役してたけど、なんか影響があんのかね。

いやー痺れるカッコよさ。雨の中のドンパチ。バッティングセンター。ディスコで踊る若者。ギラギラしてた日本の燃えたぎる程の殺してやる!を煮詰めたヤクザアクション。

キレたら止められない竹中直人の変人キャラも良いアジ出してた。あいつだけ世界観コントだったけど話転がしてくれるし良い奴だった。パンチドランカーの若者を演じた椎名桔平も漢気あって良い。とにかく脇を固める俳優の豪華さ。
そして突っ走った先の残酷な仕打ちの数々。良い奴らで愛着が沸いたばかりなのに画面から奪われるのは切ない。

ひとしきりの大暴れ。1億という金の為にどれだけの命が奪われるのか。実際金の絡む殺人事件は現実でも数え切れないし、金というのは一攫千金ではなく地道に働いて稼ぐものだと改めて感じる次第。

全てが終わったかに思えたバス車内でのラストも良かった。
ビートたけし演じるサディスティックなヒットマン。何処から現れるか分からない神出鬼没さと無敵さで、もはや無慈悲な「死」という概念そのものなのではないかと思える程。
瞬きひとつせずに凶弾で人を殺めていく死神。この映画でいちばんイカしてたキャラクター。
片目が飛び出たと云うバイク事故からの復帰一発目の映画。片目に付けたガーゼは治療が済んでいない中での撮影であった為に着用していたらしい。死のスレスレから帰ってきた直後の殺しの演技。忘れられない。

まるで切先のような今作、人の好き嫌いは知らんけど俺にはブスりと突き刺さりました。