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スクール・オブ・ロックのykzrのネタバレレビュー・内容・結末

スクール・オブ・ロック(2003年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

夢を追いかけるか、夢を諦めるか。満たされる人生とは何なのだろうか。そういった課題を全体のテーマとしている作品。
友人だと偽って教員として私立小学校に赴任したデューイと、エリート街道が約束されている小学生たち。彼らの関係は教師と生徒である前に、いわゆる「負け組」の「勝ち組」にあたる。前者は「夢を諦めない」「自分の今を何とかしたい」、後者は「親に敷かれたレールに乗っていく」「夢溢れる子どもたち」である。それぞれ不変になりつつある人生だったが、このあってはならない出会いが互いに化学反応を起こす。
「ロック」を通して、子どもたちは「怒り」と「自己発信」を獲得していく。また、デューイ(大人)は英才教育を受けた「天才」が「機会」を得ることに、諦観と羨望、そして燃え上がるような希望を見出していく。偶然かもしれないが、子どもたちの問題解決や発達の仕方や、デューイの経験重視・子どもたち自身のポテンシャルや得意なことを伸ばしていく学習が、アメリカの教育学者、ジョン・デューイの「問題解決学習」のデフォルメのように思えて面白かった。計算されたものではなく、あくまでトラブルメイカーのデューイが起こした規格外のことを生徒たちが解決していく部分が特に面白かった。
最後のライブシーンはとにかく心躍る。子どもたちが各々最大限まで自分の能力を引き出し活動する様や、デューイの夢が叶っていくシーン。また、校長とデューイの関係性も素敵だった。スティービー・ニックスの曲を初めて聴いたが、かなり好きになった。子どもの能力の発露、大人の夢の開花が味わえるとってもいい映画だった。
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