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ガーンジー島の読書会の秘密のykzrのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

一冊の本によって、心から親愛を向けることのできる人々との出会うことになるジュリエット。この作品を見ていて思い出したのは、フランスの諺だ。「素敵な靴はあなたを素敵な場所に連れていってくれる。そしてその素敵な場所で素敵な出会いを与えてくれる。」この場合は靴だが、この作品ではそれが本である。「読書」という心の拠り所を持つもの同士が、「読書」をきっかけに関係性を作っていく様にひどく惹かれた。
ジュリエットの名前はシェイクスピアの作品から取られているのかな、なんて思いながら見ていたが、生きて幸せな結末を迎えることができてよかった。
「マークの好きな本は?」という質問に対して、答えられないシーンと、「ようやく友人ができたのに…」と別れを惜しむシーンが印象に残っている。個人的なことだが、私はエリザベスにあまり焦点が当てられず、今を生きている人たちの関係性ばかりに目がいってしまったからかもしれない。特に前者は、ジュリエットにとってとても重要な、本当の自分に気がつく鍵として魅力的な問答だった。
前半でナチスに対する批判描写や憎悪の描写が多く、ナチス側である自国のしてきたことを思うとかなり複雑な気持ちになった。
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