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ジャック・ドゥミの少年期のleylaのレビュー・感想・評価

ジャック・ドゥミの少年期(1991年製作の映画)
4.3
愛に溢れた作品でした。
亡くなった夫、ジャック・ドゥミへの愛。
映画への愛。

エイズを発症したジャック・ドゥミが脚本を執筆し、妻のアニエス・ヴァルダが監督を務めた。「もう僕は撮れないから、これを撮るのは君だよ」そんなやりとりがあったのだそう。

ジャック・ドゥミの少年時代から映画学校に入学するまでを、彼の作品のシーンやご本人の映像を織り交ぜながら描いています。

今作を観ると、ジャック・ドゥミがどれほど映画を愛し、自分の経験を自身の作品に投影しているのがよくわかる。映画監督になるべくしてなったのだなぁと思います。

モノクロとカラーを使い分けていて、カラフルな色使いがより引き立っていて、可愛いのなんのって。
ジャック・ドゥミのカラフルな色使いをアニエスが受け継ぎ、ご夫婦の愛の詰まった作品なんだと感じます。

ジャックの手や顔のシワ、彼の着ていたセーターのドアップに彼への愛がだだ漏れしてて、彼のすべてを残しておきたい、そんな妻のアニエス・ヴァルダの切ない思いが伝わってきます。

病になってからご本人を撮影していて、手を繋ぎながら撮っているのだとか。もう、泣けます。

彼が段ボールで作ったアニメは素晴らしかった!

少年たちの洋服やインテリアなど映るものすべてが素敵で、センスの塊みたいな映像を観ているだけでも幸せ。
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