たつなみ

先生を流産させる会のたつなみのレビュー・感想・評価

先生を流産させる会(2011年製作の映画)
1.0
『ミスミソウ』予習の為に…と思って観てみたが、久々に胸糞悪くなるクソ映画を観た。

”女“になりたくないトチ狂った中坊女子ども。
ひたすら子供を甘やかすバカ親。
事なかれ主義の学校側…。
標的にされる佐和子先生以外はみーんなバカばっかり。
子供を持つ親として観ていて常にイライラしっぱなしだった。

ところで最近、本当に『罪悪感』を知らないクソガキが増えていると痛切に思う。
体罰を容認するつもりは無いが、『悪い事をしたら罰を受ける』という、当たり前の事を本当に学校教育で教えているのか?と疑問に思う。

私が子供の頃は担任の先生がお仕置きの『得意技』を持っていた。
小1〜小2の時の担任の先生はビンタが得意で、両手のビンタで相手の顔を挟み込む『サンドイッチ』という技を何度も食らった。
それもみんなの前で。
こういう言わば『公開処刑』によって、私達は『罪悪感』を植え付けられたんだと思う。

本作で妊娠している佐和子先生も子供達を叱ったり、時にはビンタを食らわせたりするが、クソ親がしゃしゃり出て来たり、ガキどもは食らっても何とも思ってない。
まったく何ともやりにくい世の中である。

特にリーダー格の美月という女子は、そのゴリラ的なルックスも相まって憎たらしさがハンパない。
このゴリ子、子供を産む為に”女の体“に変化して行くコトに対し異常なまでの嫌悪感を示すが、行動が突飛すぎて全くコイツの考え方に共感が出来ない。
ここら辺、もうちょいゴリ子の行動に動機付けが欲しかったと思う。
『思春期の不安定さ』だけでは説得力無いですよ。

ここからネタバレです↓

オチはゴリ子の思惑通り、佐和子先生は流産します。
で、ゴリ子に巻き込まれた友達のバカ親がゴリ子に報復に来ますが、佐和子先生はゴリ子をかばってバカ親の暴力を受け続けます。

……この展開…『教師』という職業の”業“と言うか、ある意味偉大さを感じるが、私ならバカ親を止めた上で絶対ゴリ子に謝らせる。
正座させて絶対泣くまでやらせる。
かばうだけではこの子には伝わらない。
ゴリ子はそれ以上のコトをしでかしたんだ。
そこまで描き切ったら本作は傑作になったかもしれない。

内藤瑛亮監督は映画秘宝の『ミスミソウ』に関するインタビューで、
『加害者の心理を描き出したかった』
旨の発言をしていたが、本作では全くそれは感じられなかった。
だってゴリ子自身も『わからん!』って言ってたし!

…でも『ミスミソウ』には期待してますよ
(どっちやねん)